耳から出血があって… Tさん 69才
慢性の中耳炎の治療中だったTさん、耳からの出血があり、青ざめた様子で来院されました。 何か重い病気なのではと心配され、検査をしてみると腫瘍のようなものが。
すぐに悪性のものでないか検査を行うと、真珠腫性中耳炎という病気でした。 これは、中耳炎で鼓膜に穴があいてしまった場合に起こりやすい病気です。
真珠“腫”と言う名前ですが、実は腫瘍ではありません。 鼓膜が内側に窪んでアカが溜まって炎症する場合と、皮膚組織が固くなってできる場合があり、 どちらの場合も真珠のような球状のかたまりが耳の中にできてしまうのです。
真珠種の治療には手術での切除が一般的ですが、Tさんの場合も「No.001のKくん」同様にトリクロ―ル酢酸による治療を行いました。
時間はかかりましたが、1年程で完治しています。
真珠腫性中耳炎の症状は?
血や膿の混じった耳だれが出てきます。
真珠腫が大きくなると、周りの組織を圧迫し、難聴やめまい、顔面神経麻痺、更には脳膿瘍や髄膜炎を引き起こすことも。 腫瘍ではないとは言え、悪化するととても怖い病気です。
「きっと癌ではないから大丈夫」とは思わずに、異常があればすぐにいらしてください。
癌だったら?
耳の癌の場合にも、耳だれや難聴、めまいが起こります。
更に、強い耳痛や頭痛、嘔吐の症状が特徴的です。
耳だれ、耳垢に注意
耳だれがある場合、耳垢がいつもと違う場合には、なるべく早く診察を受けてください。
特に、色が違うもの・悪臭のあるものは、耳の病気のサインになっています。
このくらい平気
と長く放置してしまう方もいらっしゃいますが、耳は脳の近くにある器官。
悪化して取り返しのつかない事になる前に治しましょう。